Ｓｌｌｉｙ ｄｉａｌｏｇｕｅ ５
深く沈んだ意識が少しずつ浮上してくる
(また、寝ちまってたのか･･･)
未だ半覚醒状態の頭の中で呟く
ゆっくりと、薄目を開けて すぐに閉じる
（痛い。目が痛い。ヒリヒリする。 確実に充血してんなコレ･･･）
もう何もかもしんどい
二度寝してしまおうと再度顔を埋めた枕は、２日間分の涙を吸ったせいでまだ少し湿っていた
不機嫌そうに順平はその枕をベッドの外に放り投げた
「涙って･･･どんくらいで枯れてくれんのかね･･･」
自室のベッドの上で一人ごちる、勿論返答はない。小さい声でも出すと若干喉が痛みを訴える。
（あーやだやだ、マジしんどい･･･明日、学校サボっちまおうかなぁ･･･）
そう考えつつも、本当にサボると後で何を言われるか分からない･･･
正直言えば、会長様の 『処刑』 とやらが怖い。
内容は知らないが･･･唯一の経験者が頑なに内容を喋ろうとしなかったから･･･
（ぁ･･･ヤな奴のこと思い出しちまった･･･）
先日の光景と、怒りがまた甦ってくる
（あーやだやだ、考えたくない。ブルーな気持ちにさせんなよ、チクショウ･･･）
『･･･俺のこと、好きか？』
（ほんと、バカじゃねぇの？好きじゃなかったら･･･何だと思ってたんだよ･･･）
『･･･順平』
（分かってくれてんだろと思ってたオレがアホだったよ･･･）
『なぁ、順平･･･』
（うるせぇよ、人の頭ン中で勝手に喋ってんじゃねぇよ）
『･･････････････････』
（･･････黙んなよ･･･バカ･･･）
目の奥がじわりと熱くなり、溢れ出てくる
（またかよ･･･もう･･･疲れてんだよ･･･勘弁、しろ、よ･･････）
答えの出ない思考を繰り返す
その間にも、溢れ続ける感情が熱い雫となって目じりから零れ落ちてゆく
頭も、心も、躰も、疲れきっているのに･･･考えるのを止められない
（なんで･･････なんでだよ･･････）
（なんで･･････あんなこと聞いたんだよ･･･）
霞のかかった意識は、また再び深い暗闇の底へと落ちていった･･･
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『すき』 だといってくれた。 『ほしい』 といってくれた。
おれが おれだけが あんたの 『とくべつ』 なのだと
ただ、うれしかったんだ
だって あんなにまっすぐに 『あいしてる』 だなんて
あんなこと いわれたら
あんな め で いわれたら
･････････にげられないじゃないか
･･･じゃぁさ、お前は別に『真田明彦』が好きなんじゃないんじゃないか
･････････え？
自分を好きだって言ってくれるんなら、お前は誰だっていいんじゃねぇか
･･････ッッ！！？
セックスが好きで、気持ちヨくしてくれるから･･･『スキ』なだけなんだろ？
アイだのコイだのは、ぜーんぶただの錯覚だったんだーって･･････認めっちまえよ、この尻軽野朗。
そう言ってオレを指差し笑う青年は、オレと･･･同じ貌をしていた
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見開いた両目は、自室の天井を見つめていた
停止していた思考が戻ると同時に、順平はベッドから跳ね起きた
眠っていた筈なのに、全身が疲労感に苛まれている
（･････････何だよ、今の）
混乱する頭を抱えて蹲る
（夢･･･そうだよ、ただの夢･･･だろ･･･変に考え込みすぎたからあんなの見たんだろ･･･）
そうだと思いたい･･･けれど明らかに自分は動揺している
それが、先ほどの夢が自分の本心なのではないかと肯定しているように思えてならなかった
「んなの･･･嘘だ･･･そんな、ワケ･･････」
顔を覆う両手が震える、そんな筈はない、そんなことはありえない、認めない、認めたくない
でも それでも もしか、したら･･････
（そんなの･･･いやだ･･･）
小さく縮こまって、いっそこのまま夜の闇に溶けて消えてしまいたい
こんな状態で、会えない･･･でも･･････
ここ数日、散々無視して、避けて、拒否し続けてきたというのに
今は、会いたい。傍にいて欲しい。ワガママだって言われてもいい。
「･････････真田サン」
消えそうな声で縋るように呼んでみても、返答などあるはずもなかった
窓の外の風景は夕暮れの紅から夜の漆黒に染まろうとしていた
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順平パートです。
無駄に思い悩んで勝手に疲弊していくのが順平ですよねｗ
悶々と考え込んで自己嫌悪モードに入っちゃう順平萌え！！
(１１,０２,２５)