Slliy dialogue 4
一度理性の箍が飛んだ順平は、ひどく素直で可愛らしくなる
恥じらいよりも、本能と快楽を優先し、ただひたすらに俺を求めてくれる
いつもは軽口や冗談めかした言葉で本心を言わないが、この時だけは
俺を 『欲しい』 と
俺が、『必要』 なのだと
それは、いつも俺の独占欲を満たしてくれる
しかし・・・俺はそれでも欲しいんだ
互いに大いに乱れ、一頻り順平を堪能した真田は息を整えるとゆっくりと躰を離した
散々抉り続けた秘所からゆっくりと己自身を引き抜く
ズルリと先端が抜けきるのと同時に、長時間にわたり注ぎ込まれ続けた精液がごぽ、と溢れ出す
「ん・・・・・・ぅ、んん・・・っ」
その刺激のせいか、意識のないままの順平が身じろぎ小さく声を上げる
いまだ溢れ続ける白濁が、順平の尻を、太腿を、その下のしわくちゃになったシーツを・・・白く、汚していく
真田はその光景をしばらくうっとりとした表情で見つめていた
出来ることならばこのままにしておきたい・・・という気持ちもある
だがしかし、そうした場合に後から辛い思いをするのは他でもない順平で・・・
この状態で放置した場合、批難されるだろうということは容易に想像できた
「・・・惜しいが、仕方ない」
そうぼやくと、後処理を済ませるために手早く準備をはじめた
一通り、後始末を終えて順平の全身を濡れたタオルで拭いてやる
こうしてされるがままの無防備な順平を見ていると・・・
「・・・いかんいかん」
真田は己の頭をよぎった煩悩を振り払う
流石に今日はこれ以上無茶はさせられない
明日は休日ではあるがタルタロス探索は行う可能性もあるのだから
「・・・んん・・・・・・真田サン・・・いま何時?」
意識を取り戻したのか、顔だけこちらに向けて順平が言う
その頬はいまだ微かに赤く、なんともいえない淫靡な色香を放っていた
「もうすぐ3時になる、今パジャマを用意するからこのまま寝ていけ」
「んん〜ど〜しよっかな〜・・・お゙ゔっ!?」
もぞりと躰を起こそうとした順平が奇妙なうめき声を上げてうずくまる
「〜〜〜〜〜〜ッッ!!!ってぇぇええ〜〜〜〜・・・・・・もーホント信じらんない・・・真田サンマジケダモノなんだから」
そう言って。非難めいた口調で腰を押さえながらこちらを睨む、目じりに少し涙が溜まっている
「何を言う、お前だって散々感じて、善がってたじゃないか」
「そっ、そんなこと・・・ちょっとはあったかもしんないけど・・・真田サンが絶倫すぎんの!!もちょっと加減してよね・・・」
「お褒めいただき光栄だな」
「褒めてねーし」
抗議、軽口、照れ隠し・・・あぁ、いつもの順平だ
口では批難めいた言葉を口にしてはいるが、口は微かに笑みを形作っている
機嫌は悪くなさそうだ
・・・今なら、言ってくれるだろうか
真田は順平の傍らに腰を下ろすと期待を込めた眼差しで 問いかける
「順平、俺のこと・・・好きか?」
小さく順平の 「ぇ」 という声
そして数秒の沈黙の後・・・突如、俺の意識は断絶された
次に感じたのは俺が床に頭から倒れた衝撃だった
ドアが開き、乱暴に閉まる音 バタバタという足音 そして再度ドアの開閉音
なにがなんだか・・・わからなかった
しばらく放心状態でそのまま何も出来ずにいたが、じわりと広がる鉄の味と左頬の熱さで意識が覚醒してくる
どうやら・・・殴られた・・・らしい
順平が・・・・・・俺を?
まさか いや だが これは・・・
何故 何がいけなかった 理解できない
立ち上がろうとしたが、情けないことに膝が笑ってしまって上手く立てない
普段はボクシングやタルタロスで攻撃を受けることには慣れているのだが
完全にノーガードのうえに脱力した状態で受けた一撃はかなり効いたらしい
しばらくして躰を立て直し、半ば這いずるような状態で順平の部屋へ向かう
扉越しに問いただしたが完全に無視された
出てくるまで呼び続けようかとも思ったが、深夜に加えて明日のトレーニングにも支障が出ると判断し
その日はそのまま自室に戻った
眠ろうとしてはみたが、頬の痛みと混乱する思考のせいで殆ど眠ることなどできなかった
・・・そして、翌朝から順平に話かけようと機をうかがっているのだが
避けられたうえに、徹底的に無視をきめこまれた
これまでにも、ちょっとした口喧嘩や意見の相違でこんな状態になったこともあったのだが・・・ここまでのものは今まで無かった
順平が人を殴ったことなど見たことも聞いたことも無かった為、何よりもその理由を聞きたかった
メールも携帯電話も着信拒否をされていて繋がらない、部屋に居るときを狙っても無視される
こんなに長い時間、順平の声を聞かなかったことは、これまで無かった
縋るような思いで相談した寮のメンバーには邪険にあしらわれた
どうしたらいいのか、わからなかった なにがいけなかったのか、わからなかった
俺は藁にも縋る思いで、シンジの携帯電話をコールした
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
一通り、ことの顛末を話し終えて顔を上げると・・・シンジが眉間を押さえて壁にもたれ掛かっていた
長時間、話を聞き続けて疲れたのだろうか
「シンジ、どうした、大丈夫か?」
「・・・・・・・・・アキ」
搾り出すような声でシンジが言う
「なんだ?」
「手前ェが悪ィ」
「ッ!!!?」
手を下ろしたシンジの眉間には深々とシワが刻まれていた
「お前も・・・寮の奴らと同じ事を言うのか・・・!?何が・・・俺の何が悪かったって言うんだ!!?」
「アキ・・・本当に、わかんねぇのか・・・?順平がなんでお前をブン殴るくらい怒ったのか・・・」
わからない、だからこうしてわざわざ相談しに来たのだ
「お前には分かるのかシンジ!!」
「・・・っこの、バッッッカヤローが!!!!!!!」
荒垣の重低音の怒号がビリビリと空気を震わせながら裏路地に響く
近くの通行人が何事かと視線を向けるが、荒垣が一睨みするとそそくさと逃げていった
「アキ、逆の立場で考えてみろ・・・散々ヤった後で相手から『好きなのか』って聞かれたらどうすんだよ」
「勿論、『好きだ』と答えるに決まっているだろう」
「それだけか・・・」
「それ以外なにがあるんだ」
至極シンプルな質問、聞かれたのだから答えればいいだけのことじゃあないのか
だがシンジの考えは違うらしい、俺の返答に大きくため息をついて言葉を続ける
「アキ、お前はそうかもしんねぇけどな・・・他の奴は違う・・・
質問の返答より先に、なんでそんなことを聞かれたのかってことを考えるんだよ」
「?」
何故
「しかも、普通に言われたんじゃなくて、セックスした後だぞ、どう考えても好きに決まってるじゃねえか」
だったら『好きだ』と言ってくれればよかったじゃないか
なのに、何故
「順平だって男が好きなわけじゃねぇだろ・・・
あいつなりに考えて、それでもお前を選んで・・・受け入れたんだろ?
遊びやハンパな覚悟でお前に躰を許してるわけじゃねぇ筈だ
それはお前が一番理解しといてやるべきなんじゃねえのか?
・・・なのに、その相手に散々抱かれた直後に 『好きなのか』 なんて言われてみろよ・・・」
「・・・・・・・・・ぁ」
「お前は順平の覚悟と愛情を疑ったんだ、アキ」
!!!!!!
「違うっ!!!そうじゃない、俺は・・・!!」
「お前はそうじゃなかったとしても順平はそう思ったんだろ、ブン殴られても仕方ねぇとは思わねぇか?」
「・・・ちがう・・・違うんだ・・・俺は、ただ・・・・・・」
うなだれた頭をゴツリと拳で叩かれる
「弁明する相手は、俺じゃねぇだろ」
そう言うと、とっとと行けと顎をしゃくる
それを見た俺は、弾かれたように踵を返す
俺は順平が好きだ。
何よりも大事で、愛おしい。
どれだけ好きか、などということは到底表現しきれるわけもないのだが、せめてその何分の一かでも伝わればと
俺はいつだって素直に自分の想いを口にしてきた。
好きだ。愛してる。 と
その度に、困ったような、照れたような・・・それでも嬉しそうに笑ってくれた
そんな順平が、俺は大好きだった
だが俺とは違い、順平はなかなか自分からそういった言葉を口にしてはくれなかった
俺だって言うばかりでなく、たまには聞きたかったんだ、順平の口から、順平の声で
ただ一言 俺を 『愛している』 と
だから・・・だから俺は・・・・・っ!!!
次から次へと湧き出る考えを振り払い、真田は夕闇の迫る街を寮を目指して全力疾走で駆け抜けた
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
真田先輩アホでございます
つうか、荒垣サン優しいね、ちゃんと教えてあげんの
寮生達はこの話を聞かされて唖然として『お前が気付かなきゃ意味ない』と放り出しましたw
そして真田のいなくなった寮内で『真田は非常識』という悪口大会が開催されるのです、女って怖いねwww(11,02,15)