あなたのとなりで。





長い長い沈黙のあと・・・順平は顔の前で合わせていた手を下ろし、ゆっくりと目を開く

踵を返して 背後でを待っていた人物へと視線を向ける

「荒垣サン、おまたせしましたッス」



「おう、帰んぞ」

そう告げると早足で荒垣に駆け寄り、並んで歩き始める





「・・・・・・何だ」

じっと顔を覗き込まれて荒垣が疑問の声をあげる

「や、聞かないのかな〜・・・って」

「何をだよ」

「オレのオネガイゴト・・・気になんねぇ?」

気になる。と順平は言って欲しいのだろうが、あの長時間の願い事を延々と聞かされるのは御免だ

「言いてぇなら、聞いてやらねぇこともない」

「・・・そっすか」

荒垣のそっけない返答にちょっとショボンとする順平、でもそれも一瞬。すぐにいつもの調子で荒垣に話しかける

「荒垣サンはしなくてよかったんスか?オネガイゴト。折角神社まで行ったのに・・・」

「あぁ、神頼みは性にあわねぇ」

その言葉を聞いて、順平がプッと噴出す

「ははっ、真田サンと同じコト言うんすねぇ〜」

「アキと一緒にするんじゃねぇよ・・・」

真田と同じ と言われて少し荒垣がムッとした顔をする

「願いごとなんざする気もねぇし・・・あっても神になんぞ頼むもんじゃねぇ、自分で叶えてナンボだろうが」

それが荒垣の信念でもある。過ぎた願いなど、自分の手には持て余すだけだ

「そーんなもんすかねぇ〜・・・でも荒垣サンらしくていいや〜漢ってカンジで♪」

順平は勝手に疑問を投げかけておいて勝手に納得したようだ

「そういうお前は賽銭箱の前で随分と粘ってたじゃねぇか・・・いったいどんだけ願い事してたんだ」

「ん〜だって賽銭分くらいはゴリヤクもらわねぇと損じゃないっすか〜とりあえず、願っとけ?みたいな」

「んだ、そりゃ」

純粋なんだか不純なんだか・・・・・・まぁ、それが順平らしいといえば順平らしい



「でも、ホントに叶えたいことは ちゃんと自分で叶えますよ」



突然発せられた真剣な響きの声に荒垣が少し面食らったような顔をする

「でしょ?荒垣サン」

そう言う順平の笑顔の意味を、荒垣は理解する。そして、ふっ、とやわらかく笑い「わかってんじゃねえか」と返す

正月早々から他愛も無い会話で笑いあう・・・その日常が”幸せ”だということを二人は知っているから

家までの短い帰り道、少しだけ遠回りして帰ることにした 



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オレの ネガイゴト

ずっと ずっと あなたの傍にいられますように

真横で歩く この場所を オレだけのものにできますように

来年も あなたと初詣にこれますように

ただそればかりを 願う



あなたのとなり 手の触れる距離で



A HAPPY NEW YEAR 2007!



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今年の新年は荒伊三昧!自分の脳内がとてもおめでたい(いつものことですが
ノーマル絵ですがやっぱ描いてて楽しいね!最近荒伊ブームがきている順平受界・・・もっと広まるといいよ!!
メインの真伊を差し置いて!!(笑

新年アップは着物順平も含めて白蓮さんの「荒伊・初詣・着物・はいてない」というご意見から。
これでオールコンプリートかな?いやあ楽しく描かせていただきましタ!

本年も宜しくお願いいたします(07,01,01)